★　種類　　　訪問着

★　素材　　　正絹

★　サイズ　　身丈　約 159.0cm（4尺2寸0分）
　　　　　　　袖丈　約 49.3cm（1尺3寸0分）
　　　　　　　裄丈　約 62.5cm（1尺6寸5分）
　　　　　　　前幅　約 23.0cm（6寸1分）
　　　　　　　後幅　約 29.0cm（7寸7分）

★　色　　　　表地　　海老茶色など　　■■■
　　　　　　　八掛　　絹鼠色、
　　　　　　　　　　　ベージュがかった薄鈍色
　　　　　　　胴裏　　白色
　　　　（小学館発行『色の手帖』参照）

★　着用時期　　　：　春・秋・冬

★　着用シーン　　：　フォーマルシーンに。

★　おすすめ年代　：　20～70代


＜コメント＞

人間国宝　福田喜重氏の
お仕立て上がり　訪問着　のご紹介です。

人間国宝福田喜重氏のお品でも、
友禅と箔だけでなく、刺繍の入ったもの
となると、ぐんとレアになります。

今回は、そんな三つの加工が入っている
とびきりレアな一品が入荷しました！

福田喜重氏は、
幼少の頃から京都随一の
刺繍の名匠・福田喜三郎氏の仕事を
見て育ち、刺繍の技術を習得しました。

生地の選択から、意匠・染め・箔・刺繍の
全行程を一貫して手掛けるものづくりは
福田喜重氏のこだわりです。
平成9年には、重要無形文化財「刺繍」
保持者（人間国宝）に認定され、
紫綬褒章も授与されています。

落款の「キ（七が三つ）三郎」は、
お父様への敬意をこめて用いられている
そうですよ。

しっとりとした、シックな海老茶色と
薄グレー、淡い茶鼠色の
ふんわりとしたぼかし染め。

グラデーションになった色の境目の
なんとも美しいこと。
お色めも、透明感あふれる、というよりは
どこか嵩のある、マットな色の表情
とでもいいましょうか。
独特の魅力があります。

箔で描き出された、梅や松のような
草花は、吹き寄せのように散りばめられ
どれも生き生きと表情豊か。

通常ならば、染めの強弱や、
お柄のボリュームなどで
お着物のデザインとしての強弱を
つけるところを、こちらは
金のすり箔に加え、丁寧な手刺繍に
よって、お柄が彩られています。

すり箔は、金の輝きが鮮やかな部分と
マットで一段控えめに見える部分。
シルバーゴールドのような部分や、
グリーンの色金のような部分など、
本当に表情豊か。

染めだけで見せるわけではなく、
染の良さ、箔の良さ、刺繍の良さを
知った上でのデザイン。
決してこてこてと贅沢に技術を施す
わけではなく、なんというか
マイナスの美学のような、日本人
ならではの感性を感じずにはいられない
すばらしい仕上がりです。

染め・刺繍・すり箔の
三つの技法を操る福田喜重氏だからこそ
成せる、それぞれの技の見せ所と
その絶妙なバランス。
地染めの美しいぼかし染めの
グラデーションとお柄とのバランスも
美しく、すべてがひとつになって
一枚のお着物として息づいているような。
とっても素晴らしく、
まさに総合芸術といった逸品です。

また、お生地にもこだわりが。
たっぷりとした重みのある、上質な
お生地を使用しています。

柔らかものは、生地が重ければ重いほど
上質とされていますが、こちらは昔ながらの
どっしりとした重みのある、本格派生地。
現代ものによく見られる、ぺらっとした薄手の生地とは
生地の厚みも、絹糸の使用量も全くちがう
贅沢な贅沢な生地です。

その分、生地自体の持つ存在感に
手仕事の染めのお色みがよく映え、発色も
美しい上に、生地の上質な光沢も際立っていますね。

福田喜重氏の、またとない逸品。

どうぞすてきなお着物姿をお楽しみくださいませ。

尚、こちらは店舗「だいやす」でもお取り扱いしております。
売り切れの際は、予告なく出品を終了する
場合がございますが、どうぞご理解くださいませ。


＜状態＞

中古のお品物です。

シミや傷等なく、きれいな状態です。

注意事項

この他にも出品しておりますので宜しければご覧ください。